りんごは通常、実が赤くなる秋頃に「葉摘み」を行います。果実の周りの葉を摘んでしまうことでまんべんなく日光を浴びせ、りんごの表面を均一に赤く色付けするためです。しかし、葉とらずりんごは「葉摘み」を行わない栽培方法です。これにより葉が取り込んだ養分をたっぷりと蓄えた美味しいりんごに育ちます。
りんごの葉で作られる養分が、果実に蓄えられて糖分になります。他の植物同様、葉っぱは空気中の炭酸ガスを吸い、果実にソルビトールという養分を送ることで甘いりんごになるのです。葉を摘み取ってしまうと、その分の光合成が減り、りんごの糖度が下がってしまいます。
「葉とらずりんご」は、表面にムラができます。葉を摘まないため、葉の影になる部分が赤くならないのです。しかし、この色ムラこそが美味しさの証。自然の恵みをたっぷり吸い込んだ、ジューシーでパリっとした食感が特徴です。葉を摘みをしないからといって手間がかからないわけではありません。太陽の光をたくさん浴びるために、枝を持ち上げて調整したり、りんごの木の間隔を調整したりと、手間をかけて美味しくしています。